日本では特に風防付きの煙突トップがよく使われています。
これは、日本特有の気候や住宅環境が関係しています。
ここでは煙突トップの種類と特徴、そして日本で風防付きタイプが多い理由を紹介します。
日本で風防付き煙突トップが多い理由
台風や季節風など横風が強い
日本は台風が多く、冬には強い季節風が吹く地域も多い国です。
煙突の上部に横風が吹き込むと、
- 煙が逆流する
- ドラフト(上昇気流)が弱くなる
- 着火しにくくなる
といった問題が起きることがあります。
そのため日本では、横風が煙突内部に入りにくい風防付き煙突トップが多く使われています。
日本は雨量が多い
日本は世界的に見ても降雨量が多い国です。
煙突に雨が入り続けると、煙突内部やストーブに影響することがあります。
ただし、煙突は完全に雨を防ぐ設備というより、入った水を排出・管理することも含めて考える設備です。
そのため、煙突内部への雨水の侵入を過度に恐れる必要はありません。
一方で、ヨーロッパでは煙突トップが付いていない煙突も見られます。
これは、煙突内部に入った雨水を下部で排出するなど、雨水の侵入をある程度前提とした設計が存在するためです。
壁出し煙突は「受けて抜く」構造
特に壁出し煙突では、下部にT管を設けて水分を受ける構造が一般的です。
ドレンキャップが付いているタイプであれば、そこを開けておくことで内部に入った雨水を排出できます。
山のえんとつ屋でもドレン付きのT管を取り扱っています。
ドレン部分にホースを接続しておけば、排出された水で壁や地面が汚れるのを防ぎやすくなります。
また、このドレンは常時開けた状態でもドラフトに与える影響はほとんどありません。
煙突内は燃焼時に上昇気流によって負圧状態になるため、下部の小さな開口部から外気が大きく流入しにくく、排気の流れへの影響が非常に小さいためです。
屋根出し煙突は「入れにくくする」考え方が有利
一方で屋根出し煙突の場合は、下部に排水機構がないため、横風を伴う雨が吹き込みやすい環境では風防付き煙突トップのほうが雨の侵入を抑えやすくなります。
ただし、燃焼中は煙突内に上昇気流があるため、通常の雨であれば内部まで大きな影響が出ることはほとんどありません。
実際に差が出やすいのは、オフシーズンや強風を伴う雨、台風時などです。
オフシーズンに注意したいポイント
オフシーズンに雨水が入り込んだ場合でも、すぐに大きな問題になるわけではありません。
ただし注意したいのが、ストーブ内部のバーミキュライトです。
バーミキュライトは多孔質で水分を吸いやすく、濡れた状態で加熱されると内部の水分が急激に蒸発し、ひび割れや崩れが起きやすくなります。
つまり問題になりやすいのは、雨が入ることそのものではなく、濡れた状態で使用してしまうことです。
シーズン前には軽く焚いて内部を乾燥させてから使用すると安心です。
オフシーズン対策:キャップに替えて雨を防ぐ
オフシーズンにはレインキャップを外し、シンプルなキャップに付け替えておくことで、雨の侵入をより確実に防ぐ方法も有効です。
山のえんとつ屋で販売しているキャップは、レインキャップと入れ替えて使用でき、暴風雨対策としても活用できます。
煙突材料と雨水の影響
煙突の材質には主に、
- SUS430
- SUS304
- SUS316
などのステンレスが使われています。
この中でも、耐食性には大きな違いがあります。
素材の違いについて詳しく知りたい方は、こちらのページも参考にしてください。
SUS430(ハゼ折煙突など)
SUS430はフェライト系ステンレスです。
価格を抑えやすい反面、304や316に比べると耐食性は低くなります。
日本で多く使われてきたハゼ折煙突の多くはSUS430で作られています。
そのため、
- 雨水
- 煤
- タール
が混ざった水分が煙突内に長期間残ると、腐食が起きやすくなる可能性があります。
つまり、煙突トップがなく雨水が入りやすい構造の場合、ハゼ折煙突のようなSUS430製の煙突では影響が大きくなりやすいと言えます。
SUS304
SUS304はオーステナイト系ステンレスで、耐食性が高く、加工性や溶接性にも優れています。
一重煙突や溶接煙突など、一般的な高品質煙突によく使われる素材です。
雨水が多少入った程度で急激に腐食することはほとんどありません。
SUS316
SUS316はモリブデンを含む高耐食ステンレスです。
304よりさらに耐食性が高く、酸や塩害にも強いのが特徴です。
特に高品質な断熱二重煙突の内筒など、より厳しい環境に使われることが多い素材です。
煙突トップの主な種類
シンプルな煙突トップ
最も基本的なタイプです。
煙突の上に雨よけのプレートだけが付いた構造です。
特徴
- 構造がシンプル
- 煙の抜けが良い
- 詰まりにくい
また、防鳥網のないタイプであれば、回転式煙突ブラシを使って下から掃除した際にトップ部分までブラシが届き、煤やタールを落とすことが可能です。
さらに、T管で水を受ける壁出し配管では相性がよく、T管の底のドレンキャップにホースを接続すれば、入った水を排出しやすいという利点もあります。
風防付き煙突トップ
日本で最も多く使われているタイプです。
風よけ板が付いており、横風が煙突内部に入りにくい構造になっています。
特徴
- 風の影響を受けにくい
- 雨が入りにくい
- ドラフトが安定しやすい
特に、
- 高台
- 海沿い
- 山の尾根
- 見晴らしの良い場所
などでは効果があります。
H型煙突トップ
横方向のパイプを持つ構造で、どの方向から風が吹いても煙突内部の圧力を安定させるタイプです。
特徴
- 強風地域に向いている
- 逆流防止効果が高い
どうしても風がいつも吹くような地域では、有力な選択肢になります。
風向型(風下排気型)煙突トップ
欧米で見られるタイプで、風見鶏のように回転して風下側に排気口を向ける構造です。
風が煙突に吹き込むのを防ぎ、煙を風下へ流す仕組みです。
回転式煙突トップ
風の力で回転し、換気扇のように煙を引き抜く構造です。
ドラフトが弱い煙突では排気を補助する効果があります。
ただし、ドラフトが強くなりすぎる場合があるため、煙突スタビライザー(ドラフトレギュレーター)と併用する場合もあります。
電動ファン付き煙突トップ
煙突の上に電動ファンを取り付けて強制排気するタイプもあります。
これは、
- 煙突が短い
- ドラフトが弱い
- 煙が逆流する
といった場合に排気を補助する装置です。
ただし煙突の先端は高温になるため、通常の換気扇のようなファンでは使用できません。
煙突用ファンは、
- 高温に耐えるモーター
- 煤や煙に対応した設計
- 耐熱構造
など、煙突専用に設計されたものが必要になります。
回転式煙突ブラシを使うと掃除がしやすい
煙突掃除は従来、屋根に上がってトップからブラシを入れる方法が一般的でした。
しかし、屋根作業は転落の危険があり、毎年のメンテナンスとしては負担が大きい作業です。
山のえんとつ屋で販売している回転式煙突ブラシを使えば、煙突の下からブラシを入れて掃除することが可能です。
この方法なら、
- 屋根に上がる必要がない
- 転落事故のリスクがない
- 一人でも掃除できる
- 煙突掃除費用の節約につながる
というメリットがあります。
特にシンプルな煙突トップは構造が単純で隙間が大きいため、回転式煙突ブラシとの相性が良く、トップ部分まで掃除しやすいのが特徴です。
山のえんとつ屋では今後さらに様々な煙突トップを取り扱う予定です
山のえんとつ屋では、すでにシンプルタイプと風防付きタイプの煙突トップを取り扱っています。
今後はさらに、
- H型トップ
- 風向型(風下排気型)トップ
- 回転式トップ
- 電動ファン付きトップ
など、さまざまな煙突トップを取り扱っていく予定です。
煙突トップは「どれが一番良い」というものではなく、設置環境によって適したタイプが変わります。
例えば、
- 風が強い場所
- 壁出し煙突
- 煙突が短い
- メンテナンス性を重視したい
など、条件によって選び方が変わります。
山のえんとつ屋では、設置環境に合わせて最適な煙突トップを選べるよう、今後も情報提供と商品展開を進めていきます。