薪ストーブとペレットストーブは、どちらも木を燃料とする暖房機ですが、 燃焼の仕組み・炎の性格・煙突の役割が大きく異なります。
見た目は似ていますが、暖房の考え方はかなり違います。
① 燃焼の仕組みの違い
薪ストーブ
薪ストーブは煙突のドラフト(上昇気流)を利用して燃焼します。
煙突が温まり上昇気流が発生すると、その吸い上げる力によってストーブ内部に空気が引き込まれ、燃焼が続きます。
つまり薪ストーブは、
- 煙突がエンジン
- ストーブが燃焼室
という構造です。
そのため薪ストーブでは、煙突の高さや断熱性能が燃焼性能を大きく左右します。
ペレットストーブ
ペレットストーブは薪ストーブとは違い、
- ペレットを自動供給するモーター
- 燃焼ファン
- 排気ファン
などの機械によって燃焼をコントロールします。
排気は排気ファンで外へ送り出される仕組みです。
つまり燃焼の主役は電子制御とモーターになります。
② 炎の違い
薪ストーブとペレットストーブでは炎の雰囲気もかなり違います。
薪ストーブの炎
薪ストーブの炎は、
- 大きく揺れる
- 不規則に動く
- 炎の表情が豊か
という特徴があります。
薪の形や燃え方によって炎の姿が変わるため、自然の火を見る楽しさがあります。
ペレットストーブの炎
ペレットストーブの炎は、
- 小さくまとまる
- 安定した炎
- バーナーのような燃焼
という特徴があります。
燃料が一定量ずつ供給されるため、炎は一定の場所で安定して燃えます。
イメージとしては、ジブリ映画「ハウルの動く城」に出てくる火の精霊カルシファーが「頑張れ!」と言われて一生懸命燃えている感じに近いかもしれません。
小さな炎がコツコツと燃え続けるような雰囲気です。
③ なぜペレットストーブは煙が少ないのか
ペレットストーブは薪ストーブに比べて煙が非常に少ないと言われます。
その理由はいくつかあります。
① 燃料の含水率が低い
ペレットは乾燥させた木材から作られます。
含水率は約5〜10%程度と非常に低く、安定して燃えます。
薪は乾燥していても15〜20%程度あるため、燃焼状態が変化します。
② 燃料の形が均一
ペレットは
- 同じサイズ
- 同じ密度
の燃料です。
そのため燃焼が安定します。
薪は
- 太さ
- 密度
- 樹種
がバラバラなため、燃焼が変化します。
③ 燃焼を機械が制御する
ペレットストーブは
- 燃料供給量
- 空気量
を機械が制御するため、理想に近い燃焼状態を作りやすくなります。
このため煙が少なくなります。
④ 排気管の径の違い
薪ストーブとペレットストーブでは、煙突(排気管)のサイズも大きく異なります。
薪ストーブ
薪ストーブでは煙突のドラフトが重要になるため、比較的太い煙突が使われます。
一般的には
- 125mm
- 150mm
などの煙突径が使用されます。
煙突の高さや断熱性能によって、ストーブの燃焼状態が大きく変わります。
ペレットストーブ
ペレットストーブは排気ファンで排気するため、排気管は比較的細くなります。
一般的には
- 80mm
- 100mm
程度の排気管が多く使われます。
そのため、壁から直接外へ出す壁出し排気が可能な機種も多くあります。
⑤ ハイブリッドストーブという選択
最近は薪とペレットの両方を使えるハイブリッドストーブもあります。
これは停電対策というより、燃料を状況に応じて使い分けるという考え方のストーブです。
例えば、薪がある場合は薪を中心に使用する、煙が気になる着火時にはペレットで着火し、その後薪を追加して燃焼という使い方もできます。
この方法だと、
- 着火時の煙が少ない
- 薪の炎も楽しめる
というメリットがあります。
ハイブリッドストーブのデメリット
ハイブリッドストーブでは、煙突はペレットストーブのような簡易排気ではなく、薪ストーブと同じ設計が必要になることが多いです。
例えば、
- 煙突径 150mm程度
- 断熱二重煙突
- できるだけまっすぐ立ち上げる設計
など、薪ストーブに準じた煙突設計が必要になります。
⑥ ペレット燃料の価格と燃焼効率
一般的に、ペレットは薪より燃焼効率が高いと言われます。
その理由は、
- 含水率が低い
- 燃料の形状が均一
- 空気量が制御される
ためです。
また地域によっては、ペレットの方が燃料費が安い場合もあります。
ただし薪は、
- 自分で調達できる
- 地域資源として使える
というメリットもあります。
⑦ ペレットストーブの注意点
ペレットストーブは、
- モーター
- ファン
- センサー
- 電子制御
などの機械装置を使用しています。
そのため、
- 故障する可能性
- 定期的な部品交換
が必要になります。
⑧ 自然ドラフト式ペレットストーブ
一方で、自然ドラフト式ペレットストーブというタイプもあります。
これは薪ストーブのように煙突のドラフトで燃焼するタイプです。
この方式の特徴は、
- 電気を使わない
- 構造がシンプル
- 機械部分が少ない
ため、故障が非常に少ないという点です。
⑨ パッキンと負圧の違い
薪ストーブとペレットストーブでは、煙突接続の構造にも違いがあります。
薪ストーブ
煙突内部はドラフトによって負圧になります。
そのため煙突接続部には基本的にパッキンは必要ありません。
ペレットストーブ
ペレットストーブでは排気ファンで排気を押し出す構造のため、煙突内部が正圧になる場合があります。
そのため、
- ガスケット
- パッキン
- シール材
が使われる場合があります。
まとめ
| 薪ストーブ | ペレットストーブ | |
|---|---|---|
| 燃焼 | 煙突ドラフト | ファン燃焼 |
| 煙突径 | 125〜150mm | 80〜100mm |
| 炎 | 大きく自然 | 小さく安定 |
| 煙 | 出る場合あり | 少ない |
薪ストーブはストーブ本体よりも煙突の設計で性能が大きく変わるとも言われています。
※現在「山のえんとつ屋」では、薪ストーブ用煙突を中心に取り扱っています。
ペレットストーブやペレット用煙突については、現在は取り扱いを行っていません。
ただし今後、
- ペレットストーブ
- ペレット用煙突
についても、取り扱いを検討しています。
また「煙突ビルダー」は、薪ストーブ用煙突の設計ツールです。
ペレットストーブの排気管設計には現在対応していません。