煙突は壁抜き?屋根抜き?どちらが良いのか解説
薪ストーブの煙突工事では、壁抜きと屋根抜きの2つの方法があります。
どちらにもメリットとデメリットがありますが、建物の形状や屋根材、煙突の高さの取り方によって向き不向きがあります。
特に平屋では煙突の高さが不足しやすく、施工方法によって使いやすさが大きく変わります。
煙突はできるだけ縦に立てるのが基本
薪ストーブは煙突の自然ドラフトによって燃焼します。
煙突内部の熱い煙が上昇することでストーブ内部に空気が引き込まれ、燃焼が続く仕組みです。
そのため煙突は
- できるだけ縦に立てる
- できるだけ曲がりを少なくする
ことが基本になります。
逆に
- 横引きが長い
- 曲がりが多い
- 煙突の高さが不足している
といった条件ではドラフトが弱くなり、焚き付けが難しくなったり煙が逆流しやすくなる場合があります。
壁抜きとは
壁抜きとは薪ストーブから煙突をいったん水平に出し、壁を貫通して屋外で立ち上げる方法です。
既存住宅でも施工しやすく、屋根を大きく加工する必要がないため後付け設置でよく採用されます。
壁抜きのメリット
- 既存住宅でも施工しやすい
- 屋根を大きく加工しなくてよい
- 外部の煙突メンテナンスがしやすい
壁抜きのデメリット
- 横引きが発生する
- 平屋では高さ不足になりやすい
- 焚き付け初期に逆流が起きやすい
- 強風の影響を受けやすい
壁抜きでは横引きをできるだけ短くする
壁抜きではどうしても横引きが発生します。
煙突は縦に長いほどドラフトが強くなるため、横引きが長くなるほど不利になります。
そのため壁抜きでは横引きをできるだけ短くすることが重要です。
一般的には煙突を外壁に沿わせて立ち上げる配置にすることで、横引きを短くすることができます。
壁貫通はメガネ石でも貫通キットでもよい
壁を貫通する部分では、安全な施工が重要になります。
この部分は
- メガネ石
- 壁貫通キット
どちらでも問題ありません。
重要なのは
- 可燃物との離隔距離を確保する
- 壁内部を一重煙突で通さない
ことです。
心配な方は大型貫通キットを使用することで、可燃物との距離をより大きく確保することもできます。
屋根抜きとは
屋根抜きは煙突をできるだけ真上に立ち上げて屋根を貫通する方法です。
煙突がまっすぐ立つため、薪ストーブの性能を最も引き出しやすい配置と言われています。
屋根抜きのメリット
- 煙突がまっすぐ立つ
- ドラフトが安定する
- 焚き付けがしやすい
- 煙の逆流が起きにくい
屋根抜きのデメリット
- 屋根の防水処理が必要
- フラッシングの選定が重要
屋根抜きは棟の近くで抜くと良い
屋根抜きでは可能であれば屋根の棟(むね)に近い位置で煙突を抜くと良いです。
理由は次の通りです。
- 屋根を流れる雨水の量が少ない
- 雨漏りのリスクが下がる
- 煙突支持がしやすい
- 施工のおさまりが良い
屋根の中央付近よりも棟に近い位置の方が水の流れが少なくなるため、雨仕舞いが安定しやすくなります。
屋根材に合ったフラッシングを使用する
瓦屋根
瓦屋根ではフレキシブルフラッシングがよく使用されます。
当店で販売しているフラッシングシートは
- EPDMゴム
- アルミメッシュ
の複合構造になっています。
この構造により
- 瓦の形状に追従する柔軟性
- アルミメッシュによる形状保持
- 高い耐候性
を両立しています。
鉄板屋根・カラーベスト
ガルバリウム鋼板などの屋根ではステンレス製フラッシングがよく使用されます。
シリコンフラッシング
シリコンフラッシングはDIY施工が簡単ですが、定期的な交換を前提に使用するのが安全です。
壁抜きと屋根抜きの比較
| 項目 | 壁抜き | 屋根抜き |
|---|---|---|
| 施工 | 既存住宅で施工しやすい | 計画施工で有利 |
| ドラフト | 横引きがあり不利 | 有利 |
| 平屋との相性 | 高さ不足に注意 | 比較的良い |
| 焚き付け | 逆流する場合あり | 安定しやすい |
| 雨仕舞い | 比較的容易 | フラッシング選定が重要 |
まとめ
薪ストーブはストーブ本体より煙突設計で性能が大きく変わると言われています。
壁抜きでも屋根抜きでも正しい設計を行えば安全に使用できますが、性能面では屋根抜きが有利になる場合が多いです。
煙突設計で迷った場合は、煙突ビルダーなどを利用して設計することをおすすめします。