世界の薪ストーブ煙突はなぜ違う? ソケット・ツイストロック・トリプルウォールを解説

世界の薪ストーブ煙突はなぜ違う? ソケット・ツイストロック・トリプルウォールを解説

薪ストーブ煙突の世界基準 日本・北米・ヨーロッパの煙突構造の違い

30秒でわかるこの記事
  • 世界の煙突は主に4種類(トリプルウォール・ツイストロック・ソケット・ハゼ折)
  • ヨーロッパではソケット接続の断熱煙突が主流
  • ソケットは角度調整がしやすく熱膨張にも強い
  • ツイストロックは施工が速いが自由度が少ない
  • 三重煙突は外側温度が低いがドラフトが弱くなることがある
  • 煙突は薪ストーブの燃焼性能を大きく左右する装置

薪ストーブはストーブ本体よりも 煙突の設計で性能が大きく変わる と言われています。

薪ストーブの煙突は世界中で似ているように見えますが、 実は国や地域によって構造や考え方が大きく違います。

主に次の4つのタイプがあります。

  • オーストラリア:三重煙突(トリプルウォール)
  • 北米:ツイストロック煙突
  • ヨーロッパ:ソケット接続の断熱二重煙突
  • 日本:ハゼ折煙突

これらは住宅構造や暖房文化の違いによって発展してきました。


オーストラリア:三重煙突(トリプルウォール)

オーストラリアでは三重煙突(トリプルウォール)が多く使われています。

  • 内筒
  • 空気層
  • 外筒

という3層構造です。

断熱材ではなく空気層で外側温度を下げる設計です。

メリット

  • 外側温度が低い
  • 屋根貫通の安全性が高い

デメリット

空気冷却構造のため煙突内部温度が下がりやすく、 ドラフト(上昇気流)が弱くなる傾向があります。


北米:ツイストロック煙突

北米ではツイストロック接続の煙突が多く使われています。

差し込んで回すことで固定する構造です。

メリット

  • 工具なしで接続できる
  • 施工が速い
  • DIY施工に向いている

デメリット

  • 角度調整が難しい
  • 接続部分の自由度が少ない
  • 熱膨張の逃げが少ない

ヨーロッパ:ソケット接続の断熱二重煙突

ヨーロッパではソケット接続(差し込み式)の煙突が主流です。

スパイゴット(オス)をソケット(メス)に差し込む構造です。

メリット

  • 構造がシンプル
  • 熱膨張に強い
  • 角度調整がしやすい
  • 耐久性が高い

差し込み構造のため 煙突の角度調整がしやすい という特徴があります。

また煙突は温度変化で伸び縮みします。

そのためヨーロッパでは 一重煙突部分を完全に固定せず 少し浮かせて設置 することがあります。

山のえんとつ屋の煙突も このヨーロッパで主流のソケット接続構造です。


ソケット接続とツイストロックはどちらが折れにくいのか

ソケット接続は接触面積が広く、 わずかな動きを吸収できるため

  • 熱膨張
  • 強風
  • 建物の揺れ

などの力を逃がしやすい構造です。

そのため接続部に力が集中しにくく、 折れや変形が起きにくい と言われています。


煙突に入った水はどうなるのか

煙突について「水が入ると危険」という説明を見かけることがあります。

しかし実際の煙突では排水構造が考えられています。

ヨーロッパでは煙突の下部に T管 を設置することが一般的です。

  • 結露水
  • 雨水

などがここに集まり排出できます。


断熱材が濡れると危険という説明について

日本では

  • 断熱材が濡れると危険
  • 一度濡れたら使えない

という説明を見かけます。

しかしこれは安全性を強調するための やや誇張された説明 である場合もあります。

業界ではセールストークとして語られることもあります。


日本:ハゼ折煙突

日本ではハゼ折煙突が広く使われています。

素材

  • 430ステンレス
  • 薄板ステンレス

430ステンレスは磁石が付くステンレスで、 304や316より耐腐食性は低い素材です。

欠点

  • 接合部が弱点になりやすい
  • 熱膨張で変形することがある
  • 腐食が進むと破れやすい

なぜヨーロッパの煙突は316ステンレスを使うのか

  • 外筒:304ステンレス
  • 内筒:316ステンレス

薪ストーブの排気には タールや有機酸が含まれ、 煙突内部は酸性環境になることがあります。

316ステンレスは耐腐食性が高く、 この環境に強い素材です。


煙突は単なる排気管ではない

ヨーロッパでは

「煙突はストーブのエンジンである」

と言われることがあります。

煙突の上昇気流によって空気がストーブに入り、 燃焼が成立します。

つまり煙突は 薪ストーブの燃焼を作る装置なのです。


まとめ

煙突は単なる排気管ではなく、 薪ストーブの燃焼性能を左右する重要な設備です。

薪ストーブはストーブ本体よりも 煙突の設計で性能が大きく変わると言われています。


煙突設計で迷ったら煙突ビルダーをご利用ください

山のえんとつ屋では 煙突構成を簡単に作成できる 煙突ビルダー をご用意しています。

煙突の高さや構成を作成し、 その図面をもとにご相談いただくことも可能です。

薪ストーブの煙突設計で迷った場合は、 ぜひ煙突ビルダーを利用して設計してみてください。

煙突ビルダーを使って設計する

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