なぜ私は煙突を四回作り直すことになったのか ― DIY煙突の失敗から煙突屋になるまで ―

なぜ私は煙突を四回作り直すことになったのか ― DIY煙突の失敗から煙突屋になるまで ―

薪ストーブを設置すると、多くの人が一度はこう考えます。

「二重煙突って自分で作れないのか?」

材料を見ると、ステンレスダクト、スパイラルダクト、ロックウール、セラミックファイバーなど、組み合わせれば作れそうに見えます。

私自身もそう考え、実際に煙突を四回作り直しました。

その経験から言えるのは、DIYの二重煙突は想像以上に難しいということです。

そしてその試行錯誤が、今の煙突販売につながっています。

一度目の煙突

一重煙突で煤やタールが詰まった

最初に作った煙突は、よくある一重煙突でした。

しかしこれが思った以上に問題でした。

一重煙突は外気で冷えやすく、煙突内で温度が下がります。

その結果、煤やタールがどんどん付着します。

結果として、煙突が詰まりやすくなり、煙の抜けが悪くなり、燃焼も不安定になりました。

薪ストーブは煙突が命と言われますが、まさにその通りでした。

二度目の煙突

空気層のスパイラルダクトは3〜4年で錆びて折れた

次に作ったのが、内外に鉄のスパイラルダクトを使った煙突です。いわゆる空気層の二重煙突です。

しかしこの煙突は、3〜4年で錆びました。

理由はシンプルです。スパイラルダクトの多くは亜鉛メッキ鋼板だからです。

薪ストーブの煙突温度は普通に300〜500℃になります。亜鉛の融点は約420℃なので、煙突内では亜鉛メッキが溶けたり蒸発したりします。

そうなると残るのは単なる鉄です。つまり、錆びるしかありません。

その結果、煙突は腐食し、ついに折れました。

しかも折れた衝撃で、太陽光パネルを割り、瓦も数枚割りました。

煙突は軽く見えても、屋根の上で折れるとかなり危険です。

なぜ亜鉛メッキのスパイラルダクトはおすすめできないのか

DIYで煙突を考えるとき、亜鉛メッキのスパイラルダクトを候補にする方は多いと思います。

ですが、これは本来空調用の材料であり、薪ストーブの煙突のような高温環境を前提にしたものではありません。

亜鉛メッキは高温で傷み、メッキがなくなればただの鉄になります。

つまり最初はそれらしく見えても、長く使えば腐食が進み、耐久性に大きな不安が出ます。

さらにT管やL管、径違いの接続部まで含めて安全に作ろうとすると、思っている以上に難易度が高いです。

なぜアルミフレキもよくないのか

DIY煙突でよく使われるのがアルミフレキです。

しかしこれも煙突には向きません。

理由は、薄くて弱く、高温に弱く、さらにタールが溜まりやすいからです。

アルミは約660℃で溶けます。通常燃焼ではそこまで行かなくても、煙道火災が起きると1000℃以上になることがあります。

煙突として考えると、安全性の面でおすすめできません。

三度目の煙突

SUS304の一重煙突を使って断熱二重にした

三回目の煙突は、かなり本格的に作りました。

構造は、内側にホンマ製作所のSUS304一重煙突、外側にハゼ折り煙突、その間にセラミックファイバーを詰めたものです。

しかも煙突はまっすぐ立ち上げました。

これは機能的には問題がなく、ドラフトも良く、煙突も詰まりにくく、かなり良い状態でした。

ただし問題もありました。

口元で直径を変えるために、スパイラルダクトのアダプターを使っていましたが、ここが錆びるので2年ごとに交換が必要でした。

また、全体として見た目があまり美しくありませんでした。

そしてこのとき気づいたのが、ホンマ製作所のSUS304一重煙突は意外と高いということです。

実際には、あと数千円出せば山のえんとつ屋の二重煙突が買える価格でした。

つまり、高い一重煙突を買って、さらに外筒や断熱材を工夫して自作するくらいなら、最初から断熱二重煙突を買った方が合理的だと感じました。

T管やL管を二重にするのが難しい

直管だけを見ると、「自分でも作れそうだ」と思うかもしれません。

しかし実際の煙突工事では、T管やL管、掃除口、径違いアダプターなどが必要になります。

ここを二重構造で、しかも断熱材をきちんと入れながら、安全に、きれいに、長持ちするように作るのはかなり難しいです。

DIYの二重煙突が難しいのは、まさにこの細かい部分です。

四度目の煙突

今販売している中国製煙突でやっと落ち着いた

そして四度目。

これは中国からサンプルとして仕入れた煙突でした。現在、当店で販売している煙突です。

この煙突はすでに6年使用しています。

結果として、錆びず、ドラフトも良く、見た目も良く、やっと良い煙突に出会えたと感じています。

なぜ今の煙突をおすすめできるのか

中国製というと不安に思う方もいるかもしれません。

ですが、当店では全数検品をしています。

また、施工してみるとどうしても部材が少し余ることがあります。そのため、余った部材は3割まで無料で返品を受け付けています。

私自身がDIYで煙突を何度も作り直してきたので、一重煙突にしたい方の気持ちも、手作りで二重煙突を作りたい方の気持ちもよく分かります。

だからこそ、アフターサービスも精一杯対応しています。

なぜヨーロッパ製ではなく当店の煙突でも十分なのか

ヨーロッパ製の煙突は非常に高品質です。車で言えば、ベンツやレクサスのような存在です。

ただ、価格は1mあたり5万円ほどすることもあり、その価格を見ると「それなら自作する価値がある」と考える方がいるのもよく分かります。

一方で、当店の煙突はその半額以下です。

高級品ではありませんが、車で言えばカローラのような存在です。

つまり、すごく贅沢ではないけれど、十分な性能があり、十分に使えて、価格も現実的です。

DIYで時間と材料費をかけて煙突を作るより、結果的に安く、安全で、きれいに仕上がることが多いと思います。

なぜこの経験が今の仕事につながったのか

正直に言えば、煙突を四回も作り直したことで、時間も材料費もかなり無駄にしました。

でも、その遠回りがあったからこそ、今の煙突販売につながりました。

そして今は、煙突屋としての人生を歩むようになりました。

だから私は、DIYで何とかしたいと思う方の気持ちがよく分かります。

そのうえで言えるのは、煙突は家の安全に直結する部分なので、できるだけしっかりしたものを使った方がいいということです。

まとめ

私自身、煙突を四回作り直しました。

その経験から分かったことは次の通りです。

  • 一重煙突は煤やタールが詰まりやすい
  • 亜鉛メッキのスパイラルダクトは高温でメッキが傷み、残るのはただの鉄なので錆びる
  • アルミフレキは耐熱性と強度の面でおすすめできない
  • T管やL管まで含めて二重煙突を手作りするのは難しい
  • 高い一重煙突を工夫して使うより、最初から断熱二重煙突の方が合理的な場合が多い

DIYは楽しいですし、私もその気持ちは本当によく分かります。

でも、煙突だけは安全性、耐久性、見た目、そして最終的なコストまで考えると、既製のしっかりした二重煙突を使うことをおすすめします。

もし、DIYで煙突を作ろうか悩んでいる方、一重煙突か二重煙突か迷っている方は、ぜひ一度、山のえんとつ屋の煙突も検討してみてください。

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