薪の煙突は建築基準法中断?
離隔距離・ストーブメガネ石・ゲートキットを解説
薪ストーブの設置について調べていると、
- その煙突は建築基準法許可では?
- アリス石を入れていては危険
- ジャンプキットではダメなのでは?
そういった意見をインターネットでは危惧することがあります。
しかし実際には、建築基準法・施行令・消防・実際の施工現場の考え方は少し複雑で、単純に「慎重」「合法」と言い切れない部分もあります。
また最新の法律は、一重煙突も断熱二重煙突も同じ「煙突」として扱っています。そのため現代の高性能な断熱煙突の性能が十分に反映されていない部分もあります。
この記事では、建築基準法と煙突の関係、可燃物との離間距離、メガネ石とゲートキット、さらに薪ストーブ店の施工の考え方について整理して解説します。
建築基準法よりも、実務では建築基準法施行令が重要
煙突に関する特定的な技術基準は、主に次の体系で決められています。
- 建築基準法
- 建築基準法施行令
- 国土交通省告示
- 消防法・火災予防条例
この中で煙突の構造や離隔距離の考え方が書かれているのは建築基準法施行令です。
例の煙突については、可燃物からの離隔や屋根からの高さなどが定められています。
法律は一重煙突も断熱二重煙突も「煙突」として扱う
現在の法律では、
- 一重煙突
- 断熱二重煙突
- 三重煙突
などの違いは明確に区別されていません。
つまり法律上はすべて「煙突」として扱われます。
この法律はかなり昔に作られたため、現代の断熱二重煙突の性能から見て安全側に大きく取られている基準になっている部分がある。
可燃物との離間距離が重要
煙突施工で最も重要なのは可燃物との離間距離です。
煙突は純粋排気管ではなく、数百度の排気が通る設備です。
壁や天井の木材などが一瞬加熱されると、炭化が近く、比較的低温でも発火する可能性があります。
そのため煙突は必ず可燃物との距離を確保する必要があります。
断熱二重煙突ではメーカー基準が50mmのものが多い
現在の断熱二重煙突は煙道火災試験などを行っており、外筒温度が上がりすぎないように設計されています。
そのためのメーカー基準では可燃物との離間距離が50mm程度の製品も多くあります。
つまり実際の施工では、
- 法律の考え方
- メーカー基準
- 建物の構造
- 施工精度
などを総合的に考えて判断する必要があります。
一歩部分は特に重要
煙突設置で注意が必要なのは
- 通路の壁
- 天井トンネル
- 屋根到達
です。
この部分では煙突と可燃物が近くなりやすいため、
- 石
- アクセルキット
- 不燃ボックス
などで安全を確保します。
重要なのはメガネ石を使う事ではなく、可燃物との安全距離と不燃施工が確保されていることです。
炉壁・炉台・天井の不燃化も重要
薪を設置する部屋は火気使用室として考える必要があります。
そのため
- 炉壁
- 炉台
- 天井
などを不燃材料で保護することが重要です。
よく使われる材料は
- 石膏ボード
- ケイカル板
- セメントボード
- タイル
- 石材
などです。
煙突だけではなく、室内側の輻射熱対策も含めて安全を確保する必要があります。
役所や消防署も規定まで一律ではない
薪設置について役所や消防署に確認すると、いつまでも全国一律の回答になるとは限りません。
多くの場合は
- 可燃物との距離
- 不燃材の使用
- 安全な施工
といった観点で判断させていただきます。
新築でない限り、現実的な安全が重要
では建築確認があるため法令と新築の整合が重要になります。
しかしある住宅では後から薪ストーブを設置するケースが多く、
現実的に安全な施工と安全な使用方法がより重要になります。
薪ストーブ店は距離を大きく取ることが多い
実際の薪ストーブ専門店の施工では、メーカー最小離間距離よりもかなり余裕を持って施工することが多いです。
これは
- 煙突火災を想定
- 使用方法のばらつき
- 施工責任
などを考慮しているためです。
煙突火災を想定した安全係数
煙突火災は煙突内部に溜まったクレオソートやタールが見える現象です。
特に
- 濡れた薪
- 低温燃焼
- 煙突掃除不足
などで起きやすくなります。
そのための施工店は理想的な使い方だけでなく、最悪の条件でも安全になる施工を考えます。
山のえんとつ屋の動画で離間距離が50mmの施工がある理由
山のえんとつ屋の動画では、煙突と可燃性の離間距離が50mm程度の施工が出てくることがあります。
これは断熱二重煙突のメーカー基準に基づく最小離隔距離で施工されているケースです。
ただしこれらの多くはお客様自身によるDIY施工です。
施工内容をご説明してご理解いただいた上で、お客様の自己責任で施工されるケースとなります。
弊社が施工する場合は責任施工
一方、山のえんとつ屋が施工を依頼された場合は責任施工になります。
そのため
- 建物の構造
- 煙突火災のリスク
- 使用状況
- メンテナンス状況
などを考慮して安全係数を大きく捉えた施工を行っております。
450mmの接合穴で施工することもある
場合によっては壁や天井の入り口部分で450mm程度の穴を開けて施工することもあります。
これは
- 煙突火災の安全係数
- 可燃物との距離確保
- 施工責任
などを考慮した結果です。
薪ストーブは使用方法によって状態が大きく変わる設備です。
そのための施工店は、理想的な使用だけでなくずぼらな使い方でも事故が起きない設計を考えます。
まとめ
薪ストーブの煙突については
- 建築基準法
- 施行令
- メーカー基準
- 施工店の安全係数
- 使用者の焚き方
すべてなどが関係します。
そのため単純に
- 思い
- イズ石が必要
- ジャンプキットは危険です
そのような話はありません。
最も重要なのはその建物・煙突経路・使用方法に対して安全かどうかです。
煙突は純粋排気管ではなく、薪ストーブの性能と安全性を考慮する重要な部分です。