以前から少し疑問を持っておりました。
といいますのも、めがね石というものを英語サイトで探しても見つからないのです。
めがね石ではなく山のえんとつ屋で販売している貫通キットと同じ形状のものはあります。
下の写真は山のえんとつ屋で販売中の貫通キットです。
アメリカアマゾンではWall Thimbleという名前で販売されていますので興味がある方は調べてみてください。
またもし日本のめがね石と同様の物をご存じの方は教えてください。
私の検索方法が悪いのかもしれません。
ではめがね石が無ければ壁の貫通が出来ないのか???というと、そんな事は無いと思います。
欧米のメーカーの発行するマニュアルや施工例を見ているとめがね石の記載はありません。
上記のようなWall Thimbleを使用して壁貫通をするように、とだけ記載されています。
そしてこのWall Thimbleはその周りに5センチのエアースペースを取ってあります。
Class Aの断熱二重煙突は可燃物から最低5センチの距離を取れば安全とされています。
山のえんとつ屋で販売している断熱二重煙突は、同じClass Aの規格をクリアしてる工場で同一ライン・同一製法で作られています。
山のえんとつ屋が扱う断熱二重煙突は日本には煙突に関する規制が無いので規格をクリアしているかどうかの試験をしたものを輸入はしていません。
しかし品質は同一のものだと思われます。
また建築基準法や消防法を調べていくと確かに煙突の壁貫通に関する規制等はあります。
ざっくりと言いますと煙突から15センチはめがね石等の不燃物で用いてくださいとなっております。
そのためここからはあくまで私の主観です。
建築基準法に沿ったものではないですが考え方の基礎にはなるかと思います。
自分で施工される方はこれを参考に自分なりに安全な施工方法を考えてください。
外径200ミリの断熱二重煙突で壁を貫通する時は最低300ミリ×300ミリ、もしくは直径300ミリの穴をあけてそこに断熱二重煙突を貫通させれば良いという事です。
これはあくまでもギリギリの基準なのでこの5センチの枠の周りはケイカル板で作る等の更なる安全対策はやっておいても損はないかと思います。
ちなみに屋根を貫通する時の開口寸法には少し注意してください。
屋根の勾配に対して横方向には300ミリでも大丈夫ですが縦方向には注意してください。
煙突は垂直に設置することに対し屋根の野地板や垂木は勾配がついています。
そのため勾配が大きくなればなるほどその距離を広げてとる必要があります。
実際には320ミリとか350ミリとかそういった数字になるかと思われます。
勾配がきつければきついほどその寸法は大きくなります。
そこは少し注意してください。
実際には屋根をめくり煙突施工後に確認をすればわかるかと思います。
話をめがね石に戻します。
心配な方はもちろんめがね石なる物を入れるもの良いです。
しかし欧米的な考え方でいくと基本的には壁の貫通部分にめがね石は必要ありません。
貫通キットを利用されても良いかと思います。
それではめがね石が必要という認識はどこから来たのでしょうか?
北の国からのドラマに出てくる薪ストーブは確かめがね石のようなものがはまっていたような記憶があります…
しかし考えてみればだるま式ストーブや時計型ストーブという日本に昔からあるストーブは一重煙突で施工されていました。
今でも田舎に行けば一重煙突があり白い煙を出している古い民家をよく見かけます。
一重煙突で施工するのであれば可燃物からの距離は前のブログで説明したように最低45センチは離す必要があります。
そのためにその距離を小さくするために眼鏡石なる物を壁に入れていたのではと推測されます。
もちろん全て私の推測ですので断言はできません。
しかしめがね石は必要か?
と問われましたら絶対に必要とは言えないと申しておきたいのです。
めがね石も決して安いものではありません。
しかしめがね石を入れることで5センチ以上の可燃物からの距離は確実に取れます。
そのため入れておくと安心という方は使用したらよいかと思います。
更なる安全性のために十分な対策を取ると安全ですし安心です。
しかし!!!
めがね石の上から合板等の可燃物を張ってしまうと全く意味がなくなってしまいます!!!
断熱二重煙突は可燃物からの距離は縦横斜め方向に最低5センチ以上の距離を取るように気を付けてください!
それを守ればDIYの施工も上手か下手かという問題なだけで、火災の心配はそれほど深刻に考えなくても良いと思います。
もちろん煙突の垂れ下がりの問題は別にあります。
垂れ下がると可燃物から最低5センチという安全距離が取れなくなります。
また煙突掃除を一年に一回されないと煤やタールが溜まり、それに着火する煙突火災が起こる危険性があります。
そこは常識として注意してください!
施工される皆様は高いところからの転落、そして火事にならないような施工方法の知識を身に着けて施工してください。
それではまた