煙突径は太い方がいい?何ミリを選ぶべき?

煙突径は太い方がいい?何ミリを選ぶべき?

薪ストーブの性能は煙突径で決まる

125mm・150mm・200mm・250mmの正しい選び方

薪ストーブを選ぶとき、多くの人が本体の性能やデザインに注目します。
しかし実際の暖かさ・燃費・燃焼の安定性を大きく左右するのは煙突径です。

煙突径は、

・太いほうが良い
・細いほうが効率的

といった単純な話ではありません。

・ストーブの出力・炉内容積
・建物の大きさや気密性
・煙突の高さ
・曲がり(エル管)の数
・横引き(水平配管)の有無と長さ
・将来の使い方

これらを総合的に見て決める設計要素です。

この記事では、
125mm・150mm・200mm・250mm
それぞれが 正解になる条件 を整理します。


煙突径は「排気量」と「抵抗」のバランスで決まる

煙突の役割は、単に煙を外へ出すことではありません。

・燃焼に必要なドラフト(上昇気流)を作る
・その力で燃焼用空気を引き込む
・燃焼温度を安定させる

このバランスが崩れると、

・燃焼が荒れる
・薪の消費が増える
・煤やタールが出やすくなる

といった問題が起こります。

煙突径とは、
排気量を確保しつつ、抵抗を過不足なく整えるための通路寸法です。


曲がり(エル管)の数え方は非常に重要

煙突径を考えるうえで、
曲がり(エル管)の扱いは欠かせません。

ここでいう「曲がり一か所」とは、
エル管の個数ではなく、排気の向きがどれだけ変わったかを基準にします。

一般的な考え方は次のとおりです。

・45度エル管 × 2個
・90度エル管 × 1個

どちらも
「曲がり一か所(90度相当)」
として扱います。

つまり、

・45度エル管1個 → 曲がり0.5か所
・45度エル管2個 → 曲がり1か所
・90度エル管1個 → 曲がり1か所

という数え方が、設計・施工の共通認識です。


横引き(水平配管)が径選びに与える影響

横引きとは、

・ストーブ本体から横方向に伸びる配管
・水平、またはそれに近い区間

を指します。

煙突は本来、
縦に立ち上がることでドラフトを生む構造です。
そのため横引きは、

・上昇力を生まない
・排気温度を下げやすい
・抵抗として確実に働く

という特性があります。

横引きがある場合の目安

・横引きが短い(〜0.5m)
 → 曲がりの一部として考えればよい

・横引きが約1m前後
 → 抵抗が無視できなくなる
 → 径に余裕を持つ判断が必要

・横引きが1.5m以上
 → 抵抗が支配的
 → 一段上の径を前提に検討

横引きは、
径を細くする理由にはならず、むしろ太くする理由になります。


125mm煙突が最適解になる条件

125mm煙突は、
小型〜中型薪ストーブ向けの基本となる径です。

・小型〜中型薪ストーブ
・一般的な住宅規模
 (吹き抜けなどで空間体積が大きくなりすぎない)
・煙突の立ち上がり高さが確保できる
・曲がりが少ない(90度相当で1か所まで)
・横引きが短い、または無い

この条件では、

・ドラフトが過剰にならない
・燃焼温度が安定しやすい
・燃費が良い

最もバランスの取れた径になります。


曲がり・横引きが増えると150mmが有利

煙突は、

・曲がりが増える
・横引きが長くなる

ほど、排気抵抗が増えます。

・90度相当の曲がりが2か所以上
・横引きが1m前後以上
・屋根形状の都合で屈曲が多い

こうした条件では、

・125mmでは抵抗が大きくなりやすい
・燃焼が不安定になりやすい

ため、
150mm煙突にすることで安定しやすくなります


150mm出口のストーブでも200mmが正解になる場合

一般的には、
ストーブ出口径=煙突径
が基本です。

しかし、条件によっては200mm煙突のほうが適正になる場合があります。

200mmが正解になり得る条件

・煙突の有効高さが十分に取れない
・曲がりや横引きが多く、抵抗が大きい
・大空間・吹き抜け・店舗など、暖める空気量が多い
・古民家などで隙間風が多く、室内圧が安定しにくい
・同じ150mm出口でも炉内容積が大きく、実燃焼量が多い機種

このような場合、

・150mmでは排気抵抗が支配的になる
・燃焼が重く感じられる

ことがあります。

200mmにすることで、

・排気の流れがスムーズになる
・抵抗の影響を相殺できる
・燃焼全体が安定しやすくなる

結果として、
**過大ではなく「釣り合いの取れた径」**になります。


200mm煙突が最適解になる条件

・大型薪ストーブ
・大空間・吹き抜け
・有効高さが短い煙突構成
・曲がり・横引きが多い

こうした条件では、
200mm煙突が燃焼を成立させるための正解になります。


250mm煙突はどんな用途か

250mm煙突は、
一般住宅向けではなく、明確な用途がある場合に使われます。

・ボイラー用薪ストーブ
・大型ピザ窯
・業務用・商業用設備
・非常に大きな燃焼量を必要とする設備

一般住宅ではオーバースペックになりやすく、
用途を限定して選ぶ径です。


煙突径選びのまとめ

・125mm
 ・小〜中型薪ストーブ
 ・曲がり・横引きが少ない
 ・燃費重視

・150mm
 ・中型薪ストーブの標準
 ・曲がりや横引きが計算内

・200mm
 ・大型ストーブ
 ・大空間
 ・150mm出口でも条件が厳しい場合の正解

・250mm
 ・ボイラー用
 ・大型ピザ窯
 ・業務用・特殊用途


結論:煙突径は「太さ」ではなく「条件」で決める

煙突径に万能な正解はありません。

・ストーブ
・建物
・煙突構成(高さ・曲がり・横引き)
・将来計画

これらを総合して、
最も燃焼が安定し、熱が室内に残る径を選ぶことが重要です。


山のえんとつ屋からのひとこと

私たちは、

・在庫ありきで径を勧めません
・現場条件と将来の使い方を重視します

125mmが最適な方もいれば、
150mm、200mm、250mmが正解になる方もいます。

煙突径は、
薪ストーブの性能を引き出すための設計そのものです。
迷ったときは、条件から一緒に考えましょう。

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