炉壁の空気層、ストーブからの距離の考え方
こちらの情報は設置参考図の情報と全く同じものです。
炉壁の空気層、ストーブからの距離の考え方
薪ストーブから炉壁までの距離はどのくらい取れば安全か?
炉壁をどうやって作ろうか?
はたまた素材には何を使おうか?
と悩む方は多いのではないでしょうか?
今日は炉壁と薪ストーブの位置の考え方、また素材について書いてみたいと思います。
こちらはアメリカのNational Fire Protection Associationの基準です。
防火安全協会???で煙突やヒーター、ボイラーを設置する時にはこの基準に従い、各州の担当官の検査を受ける必要があります。
興味がある方は原文は英語ですがGoogle翻訳等のサイトから翻訳をすれば読み解くことは可能かと思われます。
あくまでもこちらはアメリカの基準を私なりに読み解き、解釈して図にしたものです。
そのため施工の参考にとどめ、自分なりに安全性を考えて施工されたら良いかと思います。
日本よりも薪ストーブの設置は一般的な薪ストーブ先進国なので、日本のような薪ストーブ後進国は参考にしていけば良いかと思います。
日本でも煙突の設置の基準は建築基準法に書かれています。
しかしあくまでも一重煙突を基準に書かれていますので断熱二重煙突を使う基準に合いません。
それでも新築の場合は建築確認申請が必要でその時には地元の消防署の指導がありそれに従うように言われます。
なので新築の場合は注意が必要です。
ここから先は他の英語サイトの記事も参考に、こちらにて理解した内容ですのでもし勘違い等あれば教えてください。
まずDIYで一般的に施工が簡単な炉壁は25ミリ以上の空気層を持たせたケイカル版や鉄板の炉壁です。
こちらは25ミリ以上の空気層を持たせたうえで、さらに適切な素材と工法を取ることで可燃物からの安全距離を壁の場合1/3、天井は1/2まで縮めることが可能となっています。
まずは空気層についてですが、炉壁である下部と上部を開放することで壁の内部に空気の流れを作ることが絶対の条件になります。
加熱された空気が上部から出ますので下部を開放して空気の流れ道を確保します。
そして壁炉を空気で冷ます構造である必要があります。
また他にも、上部と両サイドを開放して横から全体に空気が流れるような構造にすれば下部は開放しなくとも問題はありません。
ただし空気がまんべんなく壁の中を回り、壁を冷やすことが可能なようにスペーサーの設置方法には工夫が必要かと思われます。
またこの壁炉の素材としては0.6ミリ厚以上の鋼材、もしくは12.5ミリ厚以上のセメント系の不燃材となっております。
このアメリカの基準に適合する不燃材としては12ミリのケイカル板、12ミリの石膏ボード等が入手しやすいかと思われます。
また12ミリ以下のケイカル版や石膏ボードでも、この上から不燃材のレンガ、不燃材のタイルで仕上げ、最終的に12.5ミリ以上の厚みを確保すれば条件を満たすと考えられます。
つまり以上の方法で炉壁を作成した場合、薪ストーブから壁、薪ストーブから天井までの距離を以下に縮めることが可能です。
壁の可燃物までの距離が例えば45センチとなっている薪ストーブは以下になります。
45センチの3/1である15センチまで薪ストーブと壁を近づけて設置する事が可能になります。
天井の可燃物までの距離が90センチとなっている薪ストーブの場合は以下になります。
90センチの1/2である45センチまで薪ストーブと天井を近づけて設置することが可能になります。
天井の場合は熱が上昇して空気がこもるので壁よりも一般的には基準が厳しいです。
そして次は25ミリのロックウールやセラミックファイバーの断熱材を詰めた上記と同じ炉壁や、空気層や断熱材なしの9センチ厚のレンガ積みの場合を考えてみたいかと思います。
こちらは空気層よりも条件が悪くなり壁の場合1/2、天井の場合2/3まで縮めることが可能です。
やはり断熱材や90ミリ厚のレンガの場合は空気の対流がなく、たとえ不燃物あっても炉壁そのものや断熱材に熱がこもるので少し条件が悪くなります。
壁の可燃物までの距離が45センチとなっている場合は45センチの1/2の22.5センチまで薪ストーブと壁を近づけて設置することが可能になりまります。
天井の可燃物までの距離が90センチとなっている場合は90センチの2/3である60センチまで薪ストーブと天井を近づけて設置することが可能になります。
またストーブや一重煙突にヒートシールドを設置した場合の距離の考え方もお伝えいたします。
こちらは薪ストーブ本体の裏側や横、そして煙突に半円型のヒートシールドを25ミリの距離を離したうえで設置した場合の距離の考え方です。
この場合は壁までの距離を1/2にするが可能になりますので45センチの距離の場合は22.5センチになります。
また天井は90センチの場合は1/3短くすることが可能になるので60センチになります。
それではこの空気層を持たせた炉壁とストーブ本体のヒートシールドを組み合わせた場合のストーブ本体から炉壁までの距離はどうなるかとといえば、それは書かれていないのでわかりません。
両方を組み合わせた場合の薪ストーブからの炉壁までの距離は確実に近づけることは可能ですが数値としてははっきりとしたことは言えません。
質問があればお気軽にお問合せ欄からお願いいたします。